2017年 10月3日(火)~ 10月22日(日)
どこかむこうの空間で
Caroline McGonigal/キャロリン・マックゴニガル
作品
私の作品は自然世界内における人間の存在を考察しています。
家族を突然亡くす苦境を乗り越えた末、私たち自らの命の儚さを象徴する素材を用いるようになりました。
影、氷、煙、それからスコットランドを象徴するアザミなどの植物のように、一過的な自然現象に惹かれ、その過程を観察しました。
これは私たちがここに存在するという事実、それを存続させるために自然が担っている重要な役割を再確認するための、 観者と共に臨む自分自身のための旅なのかもしれません。
自然世界との親密な関わりは緊密さ、結束、幸福感を生み出します。
自分自身を自然景観の中に浸しこむと、自身を充電するかのような安らぎを与えてくれます。
テクノロジーの発展した現代世界では、時として、いとも簡単に、その体験を忘れさせてしまいます。
私はそこに、自然と共に「生きる時間」について感じ、考える機会を提供できればと考えています。
自然世界との強いつながりを体感して、人は初めて真の自然との関係を築くことができるのです。
私を取り巻く環境そのものを表現することに私は興味がありません。
その世界の内部で私が経験したことそのものを、代わりに投影できればと思っています。
そこには私と自然世界との親密な精神的関係が存在しています。
スコットランド出身でアメリカ国立公園創設者でもあり環境保護論者のジョン・ミューアは遠い昔にこう書いています。
「外へ出かけることは、真の内に向かうことであった。(Going out (…) was really going in)」。
自然における私たちの存在と関係は強く結びつき合っているのです。
私たちは私たちの景観の一部にすぎないのです。
プロフィール
キャロリン・マックゴニガル/ Caroline McGonigal
スコットランド南西のカークーブリという小さな漁業の町に生まれ。
生涯を通して海の近くに住むことを決意した。
ダンディーのダンカン・オブ・ジョーダンストン・カレッジ・オブ・アート&デザイン修了。
現在はファイフ州キングホーンにある美しいシーロフトスタジオを拠点に活動中。
瞑想過程そのものが作品で、儚い自然をアトリエに持ち込み親密な関係の構築を図る。
素材となるものに制限はない。スコットランド北部へ旅をし厳しい自然環境とも頻繁に対峙する。
主な展覧会
[IN PLAIN SIGHT] Birnam Arts/ Dunkeld, Scotland, 2013
[OVERLAPPINGS] FifeSpace, Rothes Halls/ Glenrothes, Scotland, 2012
[DIALOGUES IN MOTION] Birnam Arts/ Dunkeld, Scotland, 2011
[Work in Black and White] Fisher Gallery/ Pittenweem, Scotland, 2011
[ENCOUNTERS WITH EVENT] Threshold Artspace/ Perth Theatre, Scotland, 2011
[FIRE AND ICE] The Crannog Centre, Loch Tay/ Perthshire, Scotland, 2010
Caroline McGonigal