Art Spot Korin

京都祇園古門前にある小さなギャラリーです。どうぞお気軽にお立寄りください。

岡本 秀 展

2017年 9月12日(火)~ 17日(日)

ひそひそ彫刻のむくい

岡本 秀 / Shu Okamoto

 

作品 

岡本秀は京都市立芸術大学で日本画を専攻しながら、

マンガのメディウムを通じたインスタレーション作品を多く制作している。

その内容の多くは男女のささいなケンカや展覧会企画をするうえでの内輪のもめごとなど、個人的で、微妙である。

登場人物たちは一見かわいらしいが、そのセリフは皮肉めいて、鑑賞者の胸が痛くなるような切なさを抱えている。

それは岡本自身の諧謔や自嘲や、対象にしている出来事への冷笑にも感じられるかもしれない。

しかし、それはモチーフにする出来事のもつ痛みに対し、岡本が考える適切な世界のあり方でもある。

岡本はある出来事をとりまいて付随する多種多様なスタンス、そしてひとつひとつの意見をマンガの登場人物ひとりひとりに託すことによって社会のさまざまな問題に、微妙で何気ない感情の機微を忍ばせようとする。

また物語にあるのは問題への解決策ではなく、単にある出来事のフカンである。

人の関わるあらゆる出来事はしばしば「こうあるべきだ」という急進的な推進力を持つ。意見をもった瞬間に、ある価値観をもった瞬間に生まれる他者との差異に対して、岡本は物語を通して敏感に反応する。こうした差異のもつ「どうしようもなさ」を、どのように引きうけ、社会に浸透させていくかということが、岡本の制作におけるテーマなのである。

本展「ひそひそ彫刻のむくい」は、このようなテーマを前提として考えられている。彼は今回、うわさ話を「その場にいないだれかの印象を彫刻する行為」として定義することで、うわさを通して”彫刻された”他者と、現実に血の通った”その人自身”との乖離に着目し、会話において何気なく看過されていく小さな違和感にアプローチを試みようとしている。

(文: 探偵デュシャン)

 

プロフィール

岡本 秀/ Shu Okamoto

1995 奈良県生まれ

2017 京都市立芸術大学美術学部美術科日本画専攻 在籍

Exhibition

2017年

「ちゅっ!」(京都市立芸術大学 大ギャラリー/京都)

「京都で現代アートを買う」 (マガザンキョウト/京都)

2016

2016Colors of KCUA 2016「ニューバランスはあらわれた」」(ギャラリー@KCUA/京都)

2015年

「京都市立芸術大学作品展」(京都市美術館 / 京都)

「FEAST #1」(メトロポリタン福寿創 / 京都)

「堂ヶ崎智紀×岡本秀 ドローイング 2人展」(京都市立芸術大学 小ギャラリー / 京都)

「2。」(京都市立芸術大学 大ギャラリー / 京都)

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